妄言でしょでしょ

他人の夢の話はつまらない、確かそう書いたのは椎名誠だったか。他人の夢の話というはたいてい、見た本人にしかわからない・伝わらないので結果面白くないと。まあ、なんでこんな話をするかっつーとこれから俺が見た夢の話をする予防線なわけなんだけど。

こないだ見た夢は死んだはずの山崎と会う夢だった。たまたま道ですれ違ったかなにかで、偶然会ったんだけどそんなに驚かない俺。
「あれ?死んだんじゃなかったの?」
「あーあれは嘘。デマっていうか」
あーなるほど道理で。お前の弟からお前が死んだって聞かされたけど、いまいち実感わかなかったんだよな。嘘の方がリアリティあるわ。なにより本人が言ってんだし。
あっさり信じる俺。

夢はそんな細切れのワンシーンだったのだけど、起きてもくっきりと輪郭が残っている。俺は昨日あいつと会ったんだっけ?と思い、数秒後にそれが夢だと気付いて、ふふふと笑う。照れ隠しだかなんだかよく解らない笑い。